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婚活と老後を考える ~結婚した場合と独身の場合 老後の暮らしはどうなるか~

2017/11/06

婚活と社会(結婚したいのにできない人をなくすために)

目次
 
1 生活費のこと 貯金のこと
■老後にかかる生活費と、必要な貯金額(家族がいる場合)
■老後にかかる生活費と、必要な貯金額(お一人様の場合)
2 介護のこと
■老後の介護(家族がいる場合)
■老後の介護(お一人様の場合)
3 人とのつながり(忍び寄る孤独な老後)
■老後の人とのお付き合い(家族がいる場合)
■老後の人とのお付き合い(お一人様の場合)
 
婚活する人たちの中には、老後の不安を訴える人も多くいます。
若い内はまだ気にならないのですが、30を過ぎ40を過ぎ自分がもうそんなに若くないことに気づくと、急に不安が募ってきますね。
では実際にお一人様のまま老後を迎えた場合と家族がいた場合とで、どのような違いがあるのでしょうか。
 
1 生活費のこと 貯金のこと
やはり一番気になるのは生活費のことではないでしょうか。非正規の方などは、このまま定年を迎えたらどうなってしまうんだろう…と考えただけで暗くなるかもしれません。年金定期便が届くたびに、目を背けたくなります。
 
■老後にかかる生活費と、必要な貯金額(家族がいる場合)
 
老後の暮らしにどれくらいの生活費がかかり、どれくらいの蓄えをしておけばよいかについて見てみましょう。
これに関しては、統計局の家計調査でも見ることができますし、生命保険会社のサイトなどからも情報を得ることができます。
 
一般に夫婦世帯の場合、老後に備えて蓄えておくべき貯金の額は「3000~4000万円」程度と言われています。
月々の生活費は、夫婦合わせて「25~35万円」程度でしょう。(ローンが残っている場合や賃貸の場合はもっとかかります)
 
対する収入はというと。
国民年金の支給額は、年間約78万円(月約65000円)です。夫婦で月約13万円ですね。
厚生年金の場合、現役時代に収めた保険料にもよりますが、平均で年間約177万円(月約15万円)です。夫婦で月約30万円ですね。
 
年金収入だけでは月々の生活費を賄えないので、貯金を取り崩したり、もしくは再雇用で70歳まで働くなどして老後をなんとかやっていくわけです。
もしくは子どもに支えてもらう場合もあると思います。
 

 
 
<収入と支出の比較 家族がいる場合vsお一人様の場合>
ここで、家族がいる場合と独身の場合の収支の違いを見てみましょう。
こちらのデータを参考にさせてもらいました。

引用:節約・貯金・家計管理まとめ
http://kakeibot.doorblog.jp/archives/38215167.html
 
※支出の内訳は、独身と家族とで大きく差が出る「住宅ローン、子育て・教育費、医療介護・老人施設」です。
 
●生涯独身(男性・正社員)の場合
収入合計:267,200,000円
支出合計:59,000,000円
収入-支出=208,200,000円(食費や生活費、貯蓄等に充てられる額)
 
●家族(共働き、妻がパートで子2人)の場合
収入合計:336,320,000円
支出合計:86,800,000円
収入-支出:249,520,000円(食費や生活費、貯蓄等に充てられる額)
 
比較してみると、「生涯独身」よりも「家族」の方がやや多くのお金を生活費や貯蓄に充てられそうですが、実際の生活水準に大きな差はないと思われます。なぜなら後者の方が世帯としては多くの生活費がかかり、貯金額も多く見積もる必要があるからです。
 

 
 
■老後にかかる生活費と、必要な貯金額(お一人様の場合)
 
単身者の場合、老後のために備えておくべき貯金額は、一般に「2000~3000万円」程度と言われます。
月々の生活費は、「15~25万円」程度でしょう。
 
毎年100万円ずつ貯めていければ、20~30年間で貯まる金額です。
生活費も夫婦世帯の場合と同様、きちんと年金保険料を納めていれば、老後は年金収入と貯金の取り崩しと節約生活でなんとかやっていけそうですね。
長生きすると、残高が苦しくなってきそうですが。
 
このように、単身者でもずっと正社員で働くことができ、堅実に貯金し、住宅ローンも確実に返済できた人であれば、老後もそれなりにゆとりを持って生活できることがわかります。
したがって、独身でも結婚した場合でも、お金の面でのメリットデメリットにそれほど大きな差はないと言えると思います。
 
しかしながら、これはあくまで正社員で働き続けた場合です。非正規だった時期があったり、途中で転職・リストラにあって収入が減ったりすると、「家族がいる場合」との差は広がります。
さらに言えば、夫婦共働きでどちらも正社員の世帯と、生涯独身者との差はかなり大きなものとなります。
 
<本当の違いは、お金じゃなくて・・・>
ここまでは「お金」について両者を比較してきました。しかし実は両者の間にはお金よりももっと重大な違いがあります。
それは、「困った時の支えがあるかないか」ということです。
 
独身の人が先ほど紹介したデータどおりの理想的な収支プランを完遂しようと思ったら、途中でつまずくことはできません。
大きな病気もできません。仕事で鬱になり休職、とかいうわけにはいきません。
 
長期療養、長期離職などということになれば、ライフプランが一気に崩れてしまいます。
入院費・治療費・療養中の生活費で、コツコツ貯めてきた貯金もあっという間になくなってしまいます。退院後も、身の回りのことをすべて自分でやるのは困難です。
復職できたとしても、以前のようには働けないとなれば、ゆとりの老後という夢も軌道修正せざるを得なくなるのです。
 
一方で家族がいれば、自分が働けない間も家族が支えてくれるでしょう。妻(夫)のパート収入で家計を支え、貯金には手をつけなくて済むかもしれません。
療養中の日常生活も家族が支えてくれます。そうして支えられながら仕事復帰を果たすことができれば、ある程度は元の軌道に戻すことができ、老後に向けての生活設計も立て直すことができるかもしれません。
 

 
 
2 介護のこと
 
歳をとれば誰でも介護が必要になります。
婚活をされている皆さんの中には、もしかしたらご両親の介護をされている方もいるかもしれません。もしくは祖父母の介護を目の当たりにされているかもしれません。
 
「自分が要介護になった時、誰が面倒見てくれるんだろう・・・」。そう思うと、「孤独死」という言葉もふと頭をよぎります。「早く結婚しないと・・・」そんな焦りも出てきます。
 
■老後の介護(家族がいる場合)
 
介護は突然やってきます。
現役の頃は病気知らずで健康には自信があったのに。突然脳梗塞で倒れたら、癌が見つかったら、難病を患ったら。誰かの手助けなしには、ベッドから起き上がることすらままならなくなります。
 
そんな時頼りになるのは、間違いなく家族です。
妻や夫があなたの主たる介護者になるでしょう。病院へも連れていってくれるでしょう。
休みの日には、息子が代わりに連れていってくれるでしょう。
子どもの家族と同居していたら、孫たちも助けてくれるかもしれません。
 
もちろんヘルパーなど介護サービスの利用もできますが、まず支えてくれるのはやっぱり家族です。
 
ちなみにですが、子どもがいると、介護費用の面でもメリットがあるようです。
先ほど紹介したデータにも表れていますが、子どもが多いほど「医療介護・老人施設」にかかる費用が少なくなっています
 
子どもが多ければ、誰かしらが在宅介護で看くれる。
長く家で暮らせれば、その分施設に入らなくてもよくなり費用面でも助かりますね。
 

 
 
■老後の介護(お一人様の場合)
 
一方でずっと一人暮らしだった場合。
自分で身の回りのことができなくなったら、残念ながら施設に入ることになると思います。
 
長く健康でいられれば、80歳90歳になってもけっこう一人でやっていけるかもしれません。でもそこから先は、さすがに誰かの助けを借りないと身の回りのことを全部一人でやるのは難しくなると思います。
でも助けてくれる家族はいません。自分のきょうだいも高齢です。そうなると、頼れるのはやはりお金や福祉サービスになってくると思います。
 
有料老人ホームが高いことは良く知られています。相場は
●入居一時金:1000万円~数千万
●月額費用:15~30万円
といったところでしょうか。
生涯独身の人は、施設にお世話になるためのお金も用意しておく必要がありますね。
 
介護にはお金がかかるので、結局は在宅で家族に看てもらう方が安く済むというのは先ほど述べたとおりです。
 
ちなみにですが、施設に入るデメリットは費用面の他にもあります。
長年親しんだ我が家で暮らせなくなること(最終的には処分することになる)。そして施設に入ると、ご近所や友達との付き合いも失われていくことが多いようです。
 

 
 
3 人とのつながり(忍び寄る孤独な老後)
 
■老後の人とのお付き合い(家族がいる場合)
 
配偶者や子どもがいる場合は、人との繋がりにそんなに心配はいらないかもしれませんね。
 
男性の場合、会社を辞めたら途端に社会とのつながりが失われ、自宅にこもりがちになるケースは多くあります。それでも家には奥さんがいるので、一人ぼっちではありません。
盆と正月には子どもたちが孫をつれて帰ってきます。
昔の仲間と旅行に行くなど、それなりに人付き合いを楽しんでおられるようです。そして仲間に孫の写真を見せ、イクジイぶりをアピールするでしょう。
 
女性はというと、すでに地域に知り合いは多くいるのではないでしょうか。
子どもがいれば、保護者会や学校行事やクラブ活動などで自然と知り合いはできると思います。言わば子どもを通じて地域の人たちと親しくなるわけです。
 
娘や息子が結婚すれば、親戚だって増えます。孫ができたら、幼稚園や学校の送り迎えをすることも出てくるでしょう。
 
人との繋がりが増えることも、結婚のメリットの一つですね。
 

 
■老後の人とのお付き合い(お一人様の場合)
 
お一人様の場合はけっこう大変だと思います。
一人暮らしの人であれば、地域の人とのお付き合いなんかは普通はしてないと思います。よほど「ボランティア活動が大好きで」とか「町会活動に熱心で」みたいな人でもないかぎり。
 
きょうだいとも、親が亡くなれば次第に疎遠になっていきます。甥っ子や姪っ子と会うこともほとんどなくなるでしょう。
 
それじゃあ思い切って、70からのボランティアにチャレンジしてみましょうか。地元の寄り合いに参加してみましょうか。
しかしそれもなかなか勇気のいることです。もっと言えば、その歳まで結婚もしてない子どももいない人には、そういう場所もけっこう肩身が狭いかもしれません。
 
あんまり希望が無いことばかり書くのもよろしくないので。
一応各区市町村には、独居高齢者でも参加しやすいよう配慮された食事会やリハビリ教室などもあるよ、というのだけ付け加えておきます。
 

 
 
まとめ
独身のまま老後を迎える人に対してはかなり厳しいことを書きましたが、歳をとるほどに単身者には厳しい現実が待っているというのは本当だと思います。
 
独身でいることのメリットももちろん沢山あります。自由であること。自分で稼いだお金は自由に使えること。時間も束縛されないこと。わずらわしい親戚づきあいなどもしないでいいこと。
 
しかし若くて健康な内はそれでけっこう楽しいのですが、自分がだんたん弱ってくると、やはり家族の支えがないことの重みが徐々にのしかかってくるかもしれませんね。
 
できれば最期は孤独死でなく、人とお花に囲まれて死にたいですね~。