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婚活パーティーの矛盾 こんなにカップル成立するのになぜ婚姻率は低いまま?

2017/05/05

婚活と社会(結婚したいのにできない人をなくすために)

大手の婚活パーティー主催会社のホームページを見ると、次のような宣伝文句が踊っています。(2017年5月5日現在)
 
■E社「9年連続婚活パーティー総参加者人数で業界NO.1! 4月のカップル数16,784人! 2016年度累計参加者数46万2108人」
■CC社「先月の参加者数50,868人 誕生カップル数24,108人 先月のカップル率47%」
■P社「日本最大!月間参加者数45,000名突破!月8000組のカップルが誕生!カップリング率は40%前後」
■O社「2013年6月27日から約4年間でのべ参加者数:226、699名 カップル成立率も40%以上」
■W社「参加者年間のべ10万人以上 平均カップル45%!」
■Y社「約50%がカップルに! 参加者数累計:2016年6月に5万人突破、2017年2月に10万人突破」
■C社→ホームページで確認できず
■Z社→ホームページで確認できず
 
これに関して疑問があります。
もしも各社がアピールしているように、日々こんなにも多くのカップルが誕生しているとしたならば、なぜ日本の婚姻率は依然右肩下がりのままなのでしょうか?
 

平成28年人口動態統計の年間推計より
(平成28年の婚姻件数は、62万1000組)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei16/index.html
 
 
数が合わない
上記の各社がPRするカップル成立数を、単純に合計してみます。(概算になります)
 
■E社:年間約10万組のカップルが誕生
■CC社:年間約144,000組のカップルが誕生
■P社:年間約96,000組のカップルが誕生
■O社:年間約11,000組のカップルが誕生
■W社:年間約22,500組以上のカップルが誕生
■Y社:年間約1500組のカップルが誕生
 
合計すると:年間375,000組以上のカップルが誕生したことになります。
 
もちろんすべてのカップルが結婚するわけではないでしょうが、それにしても年間375,000組と言えば日本の年間婚姻組数の半数以上になります。これはどういうことでしょうか?
結婚した夫婦の半数以上がカップリングパーティーで出会ったということでしょうか?そんなわけがない。
 
 
婚活パーティーで結婚する男女は全体のわずか4.3%
別な統計を見てみます。
こちらは内閣府による「少子化と夫婦の生活環境に関する意識調査(2012年)」です。
 

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/dl/all.pdf
 
これによると、結婚相手と知り合ったきっかけの第1位が「仕事関係(男女平均32.5%)」第2位が「友人などの紹介(男女平均20.3%)」第3位が「学校、サークル関係(社会に出る前)(男女平均11.5%)」となっており、「婚活パーティー・合コン」はわずか4.3%(男女平均)です。
 
28年度の婚姻数62万1000組に対し4.3%と言えば、わずか26,703組です。前述の375,000組と随分と開きがありますね。これは一体どういうことでしょうか!?
 
 
パーティー主催者発表:年間375,000組
国の調査:年間26,703組
このギャップは?

もちろんパーティーでカップルになった男女がイコール全員結婚するわけではありませんが、それでもちょっと差がありすぎると思いませんか?
「恋人がほしい」「結婚したい」という男女がパーティーに集まり、そこで「こんなにカップルが誕生しました!」と公表している数と実際に男女が結ばれている数とにこんなにも開きがあるというのは、ちょっと説明がつきません。
 
※ちなみにですが、上記の大手婚活パーティー各社も、日本の婚活パーティー市場全体から見ればごくごく一部です。中小の会社は他にも沢山存在しますし、いわゆる結婚相談所も無数にあります。それら各社が公表する数字も合わせたら、開きはさらに大きくなります。
ネットによるマッチングサービスの市場も巨大です。その内の一つ、Yパートナーなどは「毎日約4,500組マッチング成立!」「登録4日で恋人ができた!」だそうです。だったら100日で450,000組、1年間で1,642,500組の男女が結ばれてると言うんかい。すでに日本の年間婚姻組数を超えとるわ!
 
 
やっぱりほとんどみんな、続いてない?
これはあくまで私の推測ですが、パーティー各社が自ら公表しているカップリングの数にそんなに嘘はないのだと思います。ではなぜこの差が生じているかというと、つまりはカップルになってもその多くが続いていないこと、真剣交際には発展していないことの表れではないでしょうか。
都内で大手が主催するほぼすべてのカップリングパーティーに参加した私の経験と、同じくパーティー参加経験がある人たちの話と、件数は少ないですが主催者への聞き取りの結果を踏まえると、まず間違いないだろうと思っていす。
 
私は思います。カップリングパーティーを謳っていながら実際は本当の意味での結果が出せていないのだとしたら、それはサービスとして非常に質の悪いものではないでしょうか。
 
「カップリング率」と言うといかにもそれだけの数の男女が交際に発展しているかのように聞こえます。しかし実際は、その場ではカップルになっても多くが真剣交際に発展していないのだとしたら、この表現の仕方ははなはだ問題があるのではないでしょうか。
 
そしてそもそも、カップルになった男女のその後の追跡調査をしていないこと自体が、サービス提供者として無責任ではないでしょうか。
第1希望から第3希望、多い時は第5希望まで書かせて、「カップル成立―!おめでとうございまーす!」と言って送り出して、しかしその多くが続いていなかったとしたら。そんな運営の仕方を続けていて平気なのでしょうか。
 
この問題に真剣に向き合おうとせず、ただカップリング率というまぎらわしい数字を押し出して、垂れ流しのようにカップリングパーティーを繰り返しているとしたならば、けしからん!と私は思うのです。
 
(`◇´ ) ダメだよっ!